2011年アニメアウォーズ!
2011年12月26日14時投稿
例年のごとく、「おちゃつのちょっとマイルドなBlog」のおちゃつさんからお誘いを受け、同Blogで開催されている「2011年アニメアウォーズ!」に参加させていただきます。
以下、項目です。
~2011年アニメアウォーズ~
・最優秀作品
・特別賞 (捨てがたいもの、大穴だったものなど)
・キャラ部門 (男性・女性それぞれ。性別不明の場合はお任せします。)
・OP部門 (映像込みの評価でお願いします)
・ED部門 (同上)
例年なら『OVA・劇場作品賞』を追加するのですが、今年は観る機会がなかったので代わりにキャラ部門に男性・女性に加え“人外”のカテゴリを追加しました。
また、受賞作のほかに次点作品を1つ~2つ追加でそれぞれ挙げています。
さてはて、今年の結果は…?
※最終話ラッシュですぐに記事がTOPページから消えるのもアレなので、年内冬コミ記事の下に表記するように調整しています(そのため本来の記事投稿時間と表記される投稿時間が違います)
冬コミに行かれる方は、『別冊 アニプレッション 2011冬号』もよろしくお願い致しますm(_ _)m
最優秀作品
『UN-GO』(公式HP)
2011年を振り返ると、一般的には『まど★マギ』だったり『あの花』だったり『花咲くいろは』だったりともっとメジャーな作品を年間最優秀作品として取り上げることだろう。それらの作品も面白かったとは思う。しかし、当然そうした作品があまり得意ではないアニメ視聴者も中にはいるのではないだろうか……そう、例えば私のように。
そんな私が選ぶのが、2011年第4四半期(一般に2011年10月クールや秋クールなどと呼ぶが)に放映されていた『UN-GO』である。
理由は単純明快。一番、面白かった。ただ、それだけである。
主人公とライバルの思想の対立、ミステリー要素、可愛くて魅力的なキャラクターたち、遊び心ある演出、作品をより一層面白くする楽曲。私が楽しめるこれらの要素が完璧に揃っていた。
お話自体も、ノイタミナ枠で全11話という短さだが、それを最大限に活かしたまったく無駄のない構成。1話こそキャラ紹介・作品紹介的な意味合いが強いが、その後の放映された9話はすべて最終話に直結ないし伏線としての意味合いを持つという完成度である。
そのため最後まで視聴した方の感想Blogを巡るとその評価は軒並み高評価である。まぁ、その“最期まで視聴”というそのもののハードルが高い作品でもあるのだけど(苦笑
毎年自信を持って作品を決めているのだけど、今年ばかりは異論・反論がある選択だろうな、と思っている(笑 やっぱり一般的には先にあげた作品たちの人気は絶大だった。でも、これも前述のようにそれらの作品が必ずしも万人受けではないわけだ。そうした作品があまり得意ではない人にとっては、こういう作品の方が面白かったという一意見として読んでもらえれば幸い。
次点は『Steins;Gate』『GOSICK-ゴシック-』。ともにミステリー要素がある作品を選ぶのは、私の傾向なんだろう(笑
『Steins;Gate』は原作が大人気で、さらに映画化も決まっている作品だ。来年以降の活躍も期待できる作品なので、今後とも注目したい。
『GOSICK-ゴシック-』は第二期製作に含みを持たせることが多い昨今の作品の中では珍しく、完全決着を見せた作品である。こちらは、ミステリー要素はアクセントに過ぎずどちらかというと人間ドラマがメインであるが、やはりとても面白い作品だったと思う。
特別賞
『ベン・トー』(公式HP)
何をもって“特別”な賞とするのかはとても難しい。『ベン・トー』に限って言えば、第4四半期はもちろん今年最大のダークホース作品という意味合いで、私は特別賞を贈らせていただいた。
「今年一番、意外に面白かった作品は?」と問われたら私は『ベン・トー』と即答する。上記の『UN-GO』『GOSICK-ゴシック-』は1話から面白かったから意外じゃなかったし、『まど★マギ』らや『Fate/Zero』なども原作あるいは監督・脚本家らによって前評判が高かったから“意外”という言葉は当てはまらない。
そういう意味で意外性を見せてくれたのは『ベン・トー』。序盤の展開からは予想できなかった、バトル性とキャラ萌えの両立を果たしたのは驚きだった。この記事を書いているのが最終回前なので、最終回でどう転ぶかわからない不安はあるが、それでも意外性ならこの作品だろう。
次点は『魔法少女 まどか★マギカ』。個人的に実はそこまで好みの作品ではなかったのだけど、客観的にとても完成度が高く、そして何よりこの一年で最もこの業界を盛り上げた作品であることに間違いはない。この作品が、この業界にとってのイノベーションになっているかどうかは賛否両論あるだろうが、客観的に「この一年の代表作を一つ挙げるなら?」と問われればこの作品を挙げないわけにはいかないだろう。
あとは『森田さんは無口。』を挙げておこうかw 今までアニメといえば30分という枠が基本で、15分や60分というのはあったが、この作品5分である。CM除くと実質的に3分アニメ。
3分作品ならもっと高クオリティも期待したいが(苦笑)、でも3分という枠の中ではなかなかの出来。
男性キャラクター部門
『久城一弥(GOSICK-ゴシック-)』(公式HP)
『GOSICK-ゴシック-』から主人公・久城一弥。
とても単純だけど、2クールかけて成長した彼の姿はやはり印象に強く残っていた。最初はヒロインであるヴィクトリカと反目しあって、反発していたこともあったけれど、時に支えて、時に支えられて、少しずつ強く太くなっていく二人の絆と、その絆を最後まで信じてハッピーエンドを見事掴み取った彼に今年の最優秀男性キャラクター部門賞は与えたい。
次点は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の『ゆきあつ』。決してじんたんではない(笑 めんまへの一途で、女装してしまうほど暴走した想いというのはとてもインパクトがある。もちろん、そうしたインパクトだけではなく、一途な恋慕やじんたんへの嫉妬などとても魅力的なキャラクターだったと思っている。
女性キャラクター部門
『シャルロット・デュノア(IS<インフィニット・ストラトス>)』
(公式HP)
例年の如く、ほぼ全てのアニメでたくさんの萌え要素を詰め込んだ女性キャラがたくさん登場する作品が圧倒的に多い。故に女性キャラは完全に多様化が成熟し始めており、個々に視聴者の趣味・趣向でNo.1が変わってしまう世界になった感は否めない。
その中で、2011年試聴していたアニメを振り返って、インパクトが強く、可愛かった女性キャラクターを思い返せば、シャルこと『シャルロット・デュノア』ではないだろうか。
近年、人気の高い女性キャラクターの多くがツンデレやその傾向の強い特性を持つキャラクターだったように感じられるが、その反動なのかとても素直で優しくて、恋愛にはちょっと積極的だから好きな人が無駄に思わせぶりなことを言ったり他の娘と一緒にいたりすると嫉妬しちゃうシャルが可愛かった。
『IS』という作品自体がとても魅力的な女の子をたくさん輩出している作品なのだけど、その中でも特に際立っていたのは彼女であるという点から、最優秀女性キャラクター賞は彼女に授与したい。
次点は『槍水仙(ベン・トー)』。第4四半期で一番可愛い女性キャラクターなら間違いなく槍水先輩w こちらも従来の人気の高いツンデレキャラではなく、冷静で男口調な時もあって、何より強い!キャラクターであるが、可愛らしい部分も多くそのギャップにやられたのかもしれない(笑
人外キャラクター部門
『風守(UN-GO)』(公式HP)
特別設置の人外キャラクター部門。人ではないキャラクターで最も輝いていたキャラクターを選ぶのだが、やはり『UN-GO』の風守だろう。ゲーム『Z.O.E』のAI・ADA以来のAI萌えw 後半は少女のボディに入って行動することもあってので人型をとることも多かったが、冷蔵庫に居たり、ぬいぐるみの中に居たり……。何より、ハッキングから遠隔操作の電気ショック、指紋や塗料の成分分析まで可能な超絶的万能チートツールである(笑 まさに「一家に一台風守」状態www
次点は昨年同様『イカ娘(侵略!?イカ娘)』。あれだけの触手があるなら人外キャラとして扱っても良いだろう(笑 放送がこの評価を下している直近(2011年12月)ということもあるが、こちらは良い意味で強過ぎるインパクトで視聴者を引っ張ってくれた印象がある。
OP部門
『stone cold(セイクリッドセブン)』
(公式HP)
個人的にとても好みということもあるが、作風ととてもマッチしていた。『セイクリッドセブン』という作品自体がやや90年代を思わせる作風だったが、OP曲の『stone cold』もそうした雰囲気があった。さすが梶浦由記さんといったところか。
次点は『A Whole New World God Only Knows(神のみぞ知るセカII)』。第一期と比較すると、さすがにやや見劣りするかなーとは思ってしまうが、それでも楽曲面で第一期の『God only knows』を継承した路線はもちろん、OPの演出や作品との統一感は相変わらず素晴らしい。
ED部門
『Fantasy(UN-GO)』(公式HP)
EDは、最優秀作品『UN-GO』より。
作風との統一感は言うまでもなく、こうふわふわと宙を浮かぶような独特のメロディラインと歌声は、心地よさとインパクトの両面がうまく調和している。
ED演出もとても凝っていて、またある“仕掛け”が存在しているなど遊び要素もあって申し分ない。
次点は『MEMORIA(Fate/Zero)』。何といってもEDの楽曲の素晴らしさもあるが、EDへの入り方が秀逸。これといって演出面で工夫があるわけではないのに、本編終了からEDに入る流れとそこでのイントロが絶妙にマッチしているのが素晴らしい。
あとは『secret base 〜君がくれたもの〜(10 years after Ver.)(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)』 もともとが大変ヒットした楽曲なのでこれをどう評価していいか分からないが、作風とあっていた点もそうだし、EDへの入り方がこちらも絶妙だった。『Fate/Zero』のほうが工夫をせずに絶妙だったのに対して、こちらは工夫して絶妙に仕立て上げている印象。
総評
2011年は、世界的にも日本国内においても激動の一年だったことはわざわざ語るまでもない。ゆえに、私のように特に3月(震災)を境にアニメを見る目や楽しむ心の形がそれ以前と今では多かれ少なかれ変わってしまった、という人も少なくないのではないだろうか。
そんな中で3月以前の作品と3月以降の作品を(仮に計画が震災以前からあったものだったとしても)観る側として同列で扱っていいものかとも思ったが、その時々の自分の評価というものを信じてこのたび、このような評価を下させてもらった。
今年も昨年同様豊作の一年だった。だが、昨年とは豊作の方向性が少し異なるかな、というのが個人的な意見だ。昨年は『けいおん!!』や『とある魔術の禁書目録II』『刀語』『君に届け 2ND SEASON』など全体的に万人受けする作品が目立ったように思う。しかし今年は受け皿を広くとる万人受けする作品というよりは、もっと個々人の感性や興味に寄り添った独特の方向性を持つ作品が持つ多様性が目立ったと思うのは私だけだろうか。
最優秀賞に選ばせてもらった『UN-GO』はもちろん、さまざまな作品がそれぞれ独自の方向性に特化して突き進んでいる。
(結果として万人受けした作品は『まど★マギ』『IS』『君に届け 2ND SEASON』くらいではなかろうか。)
『あの花』『花咲くいろは』は青春系があまり得意ではない私は主観的にはそこまでではなかったし、逆に私がことごとく推している『Steins;Gate』『GOSICK-ゴシック-』といったミステリー系作品も「そもそもその作風が好きじゃない」という人も多いだろう。
あるいはパチンコ・パチスロのキャラクターを使ったエンターテイメント性に富む作品も人を選ぶ作品だった。芸術的な評価は高くないかもしれないが、エンターテイメント作品としてはとても魅力的で、どちらにウェイトを置くかで評価は人によって大きく変わっただろう。
もちろん、そんなことは多かれ少なかれ毎年あることなのだけど、今年は特に昨年と比較して多様性に富んだ作品が多かったという印象だ。
最後に、個人的にオリジナルアニメが少しずつ増えてきている現状にとても満足している。オリジナルといってもコミック連載が同時進行のものも少なくないが、それでも一時期の「原作がないとアニメ化は……ねえ?」という風潮すらあったことを踏まえれば大きな前進だと感じている。
2012年は、『Fate/Zero』『境界線上のホライゾン』といった作品の第2クールが決まっているほか、『灼眼のシャナ』『ゼロの使い魔』といった長期シリーズの最終シリーズが放映されるなどビッグタイトルがとにかく目白押しだ。そのため、来年は昨年に近い“万人受け”を目指す作品が増えると予想されるが、その中でどれだけ他の作品と差別化を図り、違う色で輝いてくれるのか、楽しみにしたい。
参加御礼
UN-GOを推されているようですが、僕の見ていなかった作品なので興味深かったです。
好みが分かれそうな作風のようですが、凝ったミステリーみたいなのは嫌いではないのでとりあえずチェックしてみますね。
毎年、充実した参加記事をありがとうございます!
僕も含め、読んだ人はとても参考になると思います。
ではでは、また来年もどうぞよろしく。良いお年を!