機動戦士ガンダムAGE 第6話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダムAGE]
『ファーデーンの光と影』
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≪あらすじ≫
フリットは、デシルの一件を経て正式に地球連邦軍に志願する意志を固めるが、そのことをフリット独りで決めてしまったことにエミリーは強く反発し、艦内待機の命令を破ってコロニー内へと飛び出してしまう。
一方ウルフは、旧知のメカニックのムクレド・マッドーナの下を訪れ「ガンダムを超えるMS」を要求していた。
飛び出してしまったエミリーを追ってファーデーンのコロニー内に入ったフリット。しかし、そこはコロニー内で旧時代のMS同士が争う、かつてのコロニー間戦争の残る場所だった。コロニー内の戦闘に巻き込まれたフリットたちは、そこでコロニーの外壁と内壁の間のわずかな空間で生活する貧困層のイワーク・ブライアに窮地を救われる。
同じころ、グルーデックは軍の機密情報と引き換えに、このコロニーで違法な戦艦やMSの売買をしている旧国家派閥“ザラム”のリーダーであるドン・ボヤージにUEの拠点を叩くために必要な戦艦四隻を要求する取り引きをしていた……。
未だに残る旧時代の確執と格差を目の当たりにさせられたフリット。再び起こったコロニー内の戦闘に、正義感あふれるイワークはいよいよ黙っていられず作業用MSで飛び出していく。フリットはファーデーンの街を守ろうと、勝手にガンダムに乗って戦闘に介入。しかし、その場にいきなりUEが現れて――
≪感想≫
面白かった。
少なくとも、今まで放送された半クールの間の中では一番面白かった。
まぁ、冒頭にあんな注意書きをしている私だっていつもいつも粗を探して批判をしているだけではないw 面白いと思えばちゃんと面白いと言うこともある(笑 これでも、ガンダム観るために30分の時間をわざわざ充てているのだから、そりゃあ楽しくて面白いものが観れるに越したことはないわけだ。
一つ、大きな進歩だったことはフリットが軍への志願を決めたこと。軍への志願を決めた割に(どんな理由があろうと)ガンダムを私的に使ってしまう辺りはまだまだだし、いずれ軍の戦艦ディーヴァとその艦載戦力を私的な復讐のために使おうとしているグルーデックと対峙することがあった時、こんなことをしていてはフリットには言い返すことも出来ないし、よしんば出来たとしてもその言葉にまるで説得力はないだろうが、その決意があるかないかでは大きな違いだと思う。
もう一つの大きな進歩は、ようやくまっとうな大人が出てきたということ。イワークの価値観がたぶん一番視聴者(と言っても、ハイティーン以上の視聴者だが)の価値観と近いのではないだろうか。フリットのような年端のいかない子供を戦場に出すことは、たとえ自分の命が危険にさらされていたとしても躊躇うことが普通だ。それは大人としてのプライドであり、同時に人殺しという戦争の悲しさを次代を担う子供たちに背負わせてはいけないという使命感だと思うからだ。
今回面白かったのは、UEという未知の敵ではなく、人と人との争いであったことと社会問題を反映するという、従来のガンダムシリーズが持っていた要素を取り戻したからだと思っている(まぁ、そうなると今までUEと戦ってきたものは何だったんだってことなんだけどさwww)。
今の段階ではまだまだ、“ザラム”と“エウバ”という旧国家派閥の言い分であったり、争っている理由だったりが分からないので何とも言えないが、人と人が争っている以上、そこには必ず“理由”がある。そこに第三者として、そうした派閥抗争に巻き込まれている貧困層の第三者としてイワークという存在があるから、人の思惑や願いというものが複雑に入り乱れて面白さを増している。
同時にファーデーンが抱える問題は、今の私たち人類が抱える問題に等しい。
その差が広がり続ける格差社会、旧時代から抱え続ける確執。
それは、今の私たちが持つ問題でもある。そうしたものを「無意味」と切り捨てられてしまう、良い意味でも悪い意味でも“若造”なフリットは、ある意味今のキッズ層が持つ感覚に近いのかもしれない。
アニメはただの架空の創作物ではない。たとえどれだけ現実からかけ離れた世界観や超常現象、サイエンスがあったとしても、そこには私たちリアルな世界に対する提唱や警鐘といったメッセージ性が少なからず含まれるべきだと思っている。
アニメに限らず、ドラマや映画といったものを含めたフィクション(ないしノン・フィクションに限りなく近い創作物)は、私たちがそれを観ることで改めて現実を捉え直し、自分たちがこの先で生きていく上で必要なことや、見失ってしまったものを取り戻すモノであって欲しいと願う。
例えば恋愛がメインのドラマや少女漫画というものは、それを観て読むことで恋愛というものを捉え直しているのだと思っている。そこには、華々しい理想であったり、ドロドロとした現実であったり捉え直す要素はここの作品によって当然違っているが、そういうものを視聴し読書することで現実との違いを知り、違いを知ることで逆に現実はどうあるべきかを捉え直すのではないだろうか。
『AGE』という作品においてUEという未知の敵は、そういう意味で非常に私たちにとって現実離れしている上に、少なくとも4クール分の放映を予定しているであろう長期シリーズであるため描き方(UEという敵が持つ意味の提唱)が緩やかになっている。ゆえにそうした未知の存在との邂逅がどういう意味を持ちメッセージ性があるのか、というものが分かりづらい。
同様に未知の存在との邂逅という要素は『劇場版ガンダムOO』でも取り上げているが、あちらは映画ということで二時間前後の物語で収まっているため、同じ“未知の存在”というモノを取り扱っていても非常に分かりやすく簡潔に観やすい形で纏まっており、そこに込められているメッセージ量に雲泥の差が出てきている。
なので『AGE』にどんなメッセージ性が込められているか、というのはやっぱり最後まで観ないと分からない。しかし、だからと言って視聴者が最後まで観てくれるかどうかは別である。最後まで“魅せる”努力がなければ、どんなに良いメッセージが込められていたとしても、それを観てくれる人がいなければ何の意味もない。
今回から『AGE』が人と人との争いを持ってきたのは、たぶん“魅せる”ための努力と工夫だと思う。しかし、今後話の内容がそちらにシフトするようならばUEという存在を出した意味はハッキリ言ってないわけで、UEという存在が目玉である『AGE』においては本末転倒な内容になりかねない、ということだ。
この先は、“UE”と“人”というシビアなバランス感覚をより一層求められるはずだが、そろそろ視聴率やプラモデル・グッズの売上など、数値上の結果が目に見えてくる時期でもある。その中で、はたしてレベルファイブがどこまでそのバランスを保ち続けられるかは見物である。
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- at 13:54
- [アニメ(放送終了):機動戦士ガンダムAGE]
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- [Edit]
今回はグルーデックの過去やAGEの世界観が語られていて良かったです(正直とても大好物です)
しかし、その他はなんとも…チープというか中途半端というか……退屈で仕方なかったです。
暴力的なイメージはNGなのか、地下街はスラム街になれず、ただの綺麗なホームレスにしか見えませんでした。
イワークさんの中途半端な漢気もなんだかなぁ(頭身も中途半端だけどw)
相変わらず、緊張感のない戦闘ですし。いっそ、イワークさんもガンダム盗んじゃえば良かったのに(フリットはデスペラード乗ってね)
中途半端といえば、ジェノアスカスタムもですねー
特に見せ場があるわけでも、やられメカでも無く交代ってのはロボ物としてどうなのよ?
正直、ドッズライフルあればガンダム超える必要なくね?
他にも色々言いたいのですが、なんだか粗探ししているみたいで、自分が嫌になってきますのでこの辺にしとます。