神のみぞ知るセカイII FLAG 5.0
『たどりついたらいつも雨ふり』
≪あらすじ≫
桂馬とエルシィのクラスには、小阪ちひろというクラスメイトがいる。成績も運動も中くらいの帰宅部で、桂馬を「オタメガネ」と倦厭する彼女は桂馬にとっても「モブでしかないヒロインになれないリアル女の中のリアル女」と相手にしない。
だが、寄りにも寄って今回はそのちひろが攻略相手。俄然やる気を無くす桂馬に追い打ちをかけるように、ちひろは恋愛を軽く考え、告白して振られてはとっかえひっかえ新しい相手を外見だけで探している。我慢の限界を突破した桂馬はちひろに批難するが、逆に論破されてしまい、駆け魂集めでリアルも悪くないと少しずつ考えていた桂馬の思考は一気に後退してリアルを完全に拒絶してしまい、攻略どころではなくなってしまう。
そんな彼の話を聞いてもまるで悪びれた感じのないちひろ。一方、ちひろの話を聞いていた女生徒は、栄養失調で倒れた桂馬に救いの手を差し伸べる。その女生徒は桂馬が最初に攻略した陸上部員のクラスメイト・高原歩美で――
≪感想≫
◆桂馬とちひろは同じか違うのか -同族嫌悪-
もし、桂馬とちひろのことを一言で表すならば「同族嫌悪」となるだろう(ちなみに「同族嫌悪」という四字熟語はないのであしからず。あくまで慣習的に、意味合い的に理解しやすい言葉としてチョイスしました)。
ちひろが言い当てたように、桂馬とちひろはその生活スタイルが似ている部分が多い。桂馬の立場から見れば取るに足らないモブキャラ的なリアル女なちひろだが、それはちひろの立場から見れば同じようなことが言えるわけだ。(面食いの)ちひろから見れば、顔は悪くなかったとしても言動がオタクに染まり切っている桂馬は恋の相手としても友人としても絶対に接点を持つなんてあり得ないモブキャラ的な夢のないリアル男中のリアル男。
そして桂馬は年がら年中ゲーム(特にギャルゲー)のことだけを考えており、それがちひろが年がら年中恋を求めている姿勢とどこが違うのかと問われれば、その差異をこれだけで応えるのは難しい。
実際にこの二人は、ありきたりな見方かもしれないけれど、似た者同士なのだと思う。一見すると、桂馬とちひろは似て非なるキャラクターに見えるのは、これまでの積み重ねのせいだ。
私たちは桂木桂馬というキャラクターをよく知っている。彼がゲームに夢中で、ギャルゲーにおいてはその道を極めたと言えるほどの努力をし愛情を注いでいることも、ギャルゲーをするために学校でもトップクラスの成績を収めていることも。
だが逆に私たちは小阪ちひろというキャラクターをほとんど知らない。失恋した翌日、次から次へととっかえひっかえ新しい恋を見つけようとする彼女の姿勢は、それだけ見れば良いことだとは(私の目から見れば)思えない。桂馬が言うように、そんな軽い気持ちで恋をして軽い気持ちで告白を連発するからそれが実らないのではないか、と勝手に思ってしまう。
しかし、本当にそうだろうか? 軽い気持ちで恋をして軽い気持ちで告白した彼女は、フラれて涙を流すだろうか? あれはエルシィや仇敵のような桂馬に心配かけないように元気よく振る舞っただけで、新しい恋を必死になって見つけようとしているのも失恋で泣いて凹んで挫折してしまいそうになる自分を奮い立たせようとした結果とは考えられないだろうか。
彼女にどうして心の隙間が生まれ、駆け魂に入り込まれてしまったのか? それはもしかしたら、失恋した自分の心を騙そうとして、周囲に心配をかけないように気を遣った結果として、次の恋を見つけようとしていく内に自他ともに「とっかえひっかえ恋を探す軽い女」と認めざるをえなくなってしまった自分自身への葛藤なのかもしれない。
もし仮にこの考察通りだとするなら、ちひろは恋にとても真剣に取り組んでいることになる。それこそ、桂馬がギャルゲーに取り組む姿勢に近いとも言えるかもしれない。
だから二人は似た者同士なのだ。性別、熱中するモノが違うだけで、本質的には似通った部分が多い。だからこそ、何かに熱中する相手を見てその欠点や難点が見えてしまうと我慢がならないのだ……それが、自分にも当てはまることだからこそ。そう考えると人間って不思議なもので、一概に言えることではないが、確かに自分の欠点や難点を自分以外の相手に見てしまうのは我慢ならなかったり、見るに堪えなかったりする。
「人の振り見て我がの振り直せ」とはよく言ったものだと思う。これが格言やことわざとして使われるのは、それが理想であり指針として示せるものでありながら、実際に私たちが実行するのはとても難しいからなのだと思わされる。
話がそれてしまったが、要は私たちは当然のように桂馬を知り、ちひろを知らない。だから、次回からはまずちひろを知ることからきっと始まるのではないかと思う。
ちひろは桂馬にとって難敵だ。何せ、ゲームのヒロインっぽくないから攻略するためのデータの蓄積量が圧倒的に少ない。だが、そんなちひろでも一瞬一瞬で見せるヒロインっぽさ。桂馬がそれを手がかりにして攻略をするのか、あるいは極論を言えば心の隙間さえ生まれば良いのだから、彼がちひろと彼女の恋愛相手の恋をサポートして駆け魂を取り出すのだろうか。
◆まさかの再登場、高原歩美
突然耳にしたあずにゃんの声(いや、今ならエクレール声というべきなのか)。まさか、まさかの第一期FLAG 1.0で攻略した高原歩美の再登場。そういえば、そんな再登場あるよコメントも当時頂いたような気もする……。
何はともあれ、歩美が再登場し桂馬に手を差し伸べる展開はいろいろと考えさせられる。第一期FLAG 1.0を思い返せば、歩美も桂馬のことを「オタメガネ」と呼んで、廊下を歩く彼を平気で吹き飛ばすほどの認識だったはずだ。それが攻略を経て好感度MAXまで振れた後、駆け魂回収の影響で彼女の記憶は攻略前までリセットされた。
だが、本当に記憶は完全に初期化されたと言えるのだろうか。だとすれば、歩美のあそこでの反応はちひろに同意して「そうだよね、オタメガネあり得ない」的なセリフになるはずだ。しかし、実際に歩美は「桂木、そんなに落ち込んでいるんだ…」ととても気にかけていた。これはまるで違う反応と言える。
もしも、高原歩美の桂木桂馬に対する印象が変わる瞬間があるとすればどこだろうか?
それは第一期FLAG 1.0のラストでもわずかに垣間見えた攻略記憶の残滓。そして第一期FLAG 1.0で最後に桂馬が歩美に贈った大会入賞を祝福する一言。それだけで、ちひろと同じ位置にあったはずの歩美の好感度は反転しているように見える。
これが意味することは二つ。
一つは、桂馬がちひろとの接触で否定した「リアルに少しでも気をかけるなんてばかばかしい」という考えは、この歩美の言動によって否定できること。それはそうだろう。攻略中の記憶を除けば、わずか一言の祝福の言葉で(好感度的に)ちひろと同じ位置にいたはずの歩美が、周囲にいた生徒が見放す中でも見捨てず廊下で倒れていた桂馬に手を差し伸べてくれるのだから。これが桂馬再起のきっかけになるかもしれない。
もう一つは、シリーズ通して実は記憶は完全にリセット・初期化することは出来ないのではないかという懸念の再来。これまで桂馬は攻略したヒロインの記憶が消えることを前提に攻略してきた。それは愛のない攻略で、次から次へと駆け魂集めに奔走しなければ死んでしまう桂馬にとって致し方ない部分だが、攻略が続けば続くほど桂馬の攻略は不利になる(記憶が残ってしまえば、桂馬がとっかえひっかえ女に告白してはキスをして振っているようにしか見えず、印象が最悪になるのは言うまでもない)。
歩美の今回の言動が、駆け魂集めの記憶リセットによって消し切れなかった残滓で済むのか、はたまた実は記憶はリセットなどされていなくてただ封印されているだけで、何かの拍子で戻ったり、あるいは少しずつ漏れ出したりしているのか。
この答え如何では、桂馬の今後の攻略にも大きく影響を与えてきそうだ。
余談だが、歩美が桂馬に手を差し伸べるシーンは良かった。ちひろから見れば桂馬はモブキャラ。そうなれば桂馬の理論でいけば、ちひろや同じ位置にいたはずの歩美にとって桂馬は恋愛の攻略対象にならない。そのはずなのに歩美が桂馬の苦悩に気付いて手を差し伸べられることは、モブキャラが攻略対象キャラに格上げになる可能性を、そしてこの先桂馬がちひろを攻略出来る可能性を指し示しているように感じられる。
◆小ネタ
桂馬「どこかのメーカーさんっ! 早く僕たちが画面の中に入れるようにしてくださいッ!!」
エル「それなら私の羽衣で!」
桂馬「ほ、本当かッ!? エルシィ! でかしたぞっ!!」
ハク「でもそれ……元に戻れなくなるわよ」
エル「ええっ!? や、やっぱり、ダメです、神さまっ!」
桂馬「何を言っている。ギャルゲーから戻ってこれない? 本望だッ!!」
エル「えぇぇぇぇぇぇっ!?」
ハク「……はぁ、バカ」
はい、そんなわけで今回から小ネタの単発にハクことハクアさん追加(笑 うん、桂馬ならきっとあの次回予告の続きはこうなったと信じてる(ノ∀`*)アイター
FLAG 6.0『10%の雨予報』
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- [アニメ(放送終了):神のみぞ知るセカイII]
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NoTitle
攻略したキャラやこれから先攻略するキャラの中には駆け魂以外にもなにか影響してるんじゃないかな
もし一度攻略したキャラを2順目攻略するとなれば面白いかな