Fate/stay night 最終話「全て遠き理想郷」
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Fate/stay night]
Fate/stay night 最終話「全て遠き理想郷」
いよいよFateも最終話。クライマックスはどうなるのか? ラストはセイバールートのままなのか、それともアニメオリジナルの部分もあるのか。原作があるもののアニメ化だけに、こう言う部分でどうなるのかはかなり注目していました。冒頭はちょっと「え? 何? ホラー映画?」とも思っちゃうような入りで、ここで予想外でしたけど。
そして、アニメとしてはかなり珍しくパート分別がされませんでしたね(テレ玉だと)。一気に観て行った感じが強くて、映画を観たような感じでした(最終話だけあってクオリティも高かったし)。
それでは、最終回スペシャルとして超拡大版でお送りするFate最終話は、さっそく続きからどうぞ。ちなみに、私の個人的感想よりも話自体の独自あらすじみたいになってますけど……まぁ、それでも読んでくださる方は、続きから見てください。
OP前
アンリ・マユに取り込まれた士郎。周囲からは全ての悪を代弁するかのように死者の手が伸び、士郎を引きずりこもうとする。全ての悪が『死』の概念を士郎へ突きつける。その時、士郎の脳裏に浮かんだのはコレと同じものを浴びせられた義父(ちち)・切嗣の姿。
「子供の頃、僕は正義の味方に憧れていた」
「任せろって。ジイさんの夢は、ちゃーんと俺が形にしてやっから」
「あぁ……安心した」
そう言って旅立った切嗣。今でも鮮明に思い出せる切嗣のあの姿を胸に抱き、
「そうだ。衛宮士郎が本当に衛宮切嗣の―――正義の味方の息子ならっ!」
今、胸に響く戦友・遠坂凛の言葉を思い返し、
「何があっても!」
強い絆で結ばれたセイバーの言葉と共に、
「あの男には負けられない!!」
命をかけて、アンリ・マユを吹き飛ばす!
本編
アンリ・マユを振り払った士郎に驚きを見せるも、まだ有利な状況を保つ言峰。
「あれを振り払っておきながら……もはや万策尽きたと言うわけか」
「うるさいっ! 始めから策なんて持ってねぇ!」
凛から託されたアゾット剣を抜き、言峰へと突貫する士郎。だが、再び言峰が手にしたアンリ・マユにその身体を囚われてしまう。
その頃、セイバーとギルガメッシュの戦いもクライマックスを迎えていた。
「エヌマっ…エリシュッッ!!」
「エクス…カリバーッッ!!」
互いにぶつかり合う必殺剣。だが、その出力はやはりエヌマ・エリシュの方が上。セイバーはその力をほとんど相殺出来ず、柳桐寺の壁に叩きつけられる。間髪入れずにエヌマ・エルシュを放とうと即座に再チャージを開始するギルガメッシュ。
一方で士郎は再びアンリ・マユの闇に囚われていたが、まだその心は折れてはいなかった。
「これが俺の役目なら、まだ出来ることが残っているっ!」。
剣を杖の代わりにしてまだ立ち上がるセイバー。こちらもまだ、心は決して折れてはいなかった。鋭い眼光で睨みつけるセイバー、それを不敵な笑みを浮かべて返すギルガメッシュ。すかさずエヌマ・エリシュを放つギルガメッシュだが、その寸前セイバーの脳裏には一条の光明が輝いていた。そして、それは士郎もまた同じ。
「あなたは私の……」
強くシンクロした2人。それはマスターとサーヴァントとしてのキズナ以上のシンクロ。士郎は自らの役目を見出し、静かに頭の中で声を走らせる。「トレース・オン」。魔術回路は全て開き、そこに膨大な量の魔力が流れ出す。
「あなたは私の鞘だったのですね」
士郎は黄金の光を投影し、それに手を伸ばす。
「彼女が……夢見た……理想郷っ!」
「「その名は……アヴァロンッ!」」
再びその姿を現すエクスカリバーの鞘・アヴァロン。5つの魔法すら寄せ付けぬ、何者にも侵害されぬ最強の守りであり、アーサー王にとって真の意味を持つ宝具。その溢れた光は王たるセイバーを守護し、それを投影した士郎の身を護る。
「と、投影魔術だと」
言峰が初めて見せた動揺。二度に渡ってアンリ・マユを吹き払った士郎。そしてセイバーもその光の加護を受け、その剣でエヌマ・エリシュをギルガメッシュへ反射。自らの攻撃を反射され、思わぬ隙を作ってしまうギルガメッシュに容赦なく間合いを詰めるセイバー。魔力で織られた白銀の鎧の魔力も全て剣へと送り込み、渾身の一撃を振るう。
「おのれっ! そのような小細工をッ!!」
「エクス―――」
「エヌマ・エリ」
「カリバーッッッ!!!」
相手がエヌマ・エリシュを使う寸前、一歩早く放たれたセイバーのエクスカリバーはギルガメッシュの胴体を袈裟切りで真っ二つに引き裂く。
「憎らしい女だ。最後までこの俺にはむかうか……だが許そう。手に入らぬからこそ、美しいものもある」
ギルガメッシュは最後にそう言い残し、セイバーの前から静かに姿を消した。
そして、士郎もまたまるでその動きにシンクロしているかのように、アンリ・マユの闇をかわし、言峰に肉薄する。
「言峰……綺礼ーッ!!!」
その胸を貫く凛のアゾット剣。さらに士郎は自らの身体を回転させ、遠心力の篭ったパンチをアゾット剣に叩きつけると同時に、魔力解放の言葉でアゾット剣に蓄えられていた魔力を、言峰の体内で解き放つ。
「なぜだ、なぜオマエがこの剣を持っている」
「それは俺のじゃない。遠坂から預かったものだ」
「そうか……以前、気まぐれにどこぞの娘にくれてやった……あれは確か、10年前だ……私も衰えるはずだ」
10年前
それは士郎にとっても、言峰にとっても終わりであり、始まりでもあった時。それを知り、言峰も力尽き聖杯が溢すアンリ・マユの闇へと沈んでいった。
全てが終わり聖杯から解放されたイリヤを、士郎は投影した布で抱き止める。そこに追いついたセイバー。
「聖杯を破壊します……マスター、命令を。あなたの命が無ければ、あれは破壊出来ない。最後の令呪を使って下さい」
その言葉に苦悩する士郎。ここで令呪を使い命令を下せば、聖杯戦争は終わり、そしてセイバーは元いた世界へと帰る。そんな士郎の苦悩を見透かしたように、セイバーは穏やかな表情で最後の願いを告げる。
「シロウ……あなたの声で聴かせて欲しい」
それは自分の責務をまっとうしなければならないセイバーが見せた、ほんのわずかな自分自身の願い。士郎の脳裏には、これまでわずかな間に積み重ねてきたセイバーとの思い出が甦る。土蔵での出会い、自分の料理を美味しく食べてくれた日常、セイバーと心の奥底で繋がったあの日、そして自分の剣となり盾となってくれた戦いの時、垣間見たセイバーのアーサー王としての過去……
「俺はセイバーを愛している......」
「誰よりも幸せになって欲しいと思うし、一緒に居続けたいと願っている......」
「けれど......」
「本当に彼女を愛しているなら、それは違う」
「傷つき、それでも戦いぬいたセイバーを愛した......」
そして、士郎は決意を固める。
「彼女の誇りを汚すことだけは、してはならない―――」
だから、彼は告げる。
「セイバー……
その責務を果たしてくれ」
その言葉に呼応するかのように輝くセイバーの剣。それは聖杯からこぼれる闇など物ともせず、出現した聖杯を粉砕した……。
全てが終わった夜明け。柳桐寺は聖杯を破壊した余波で吹き飛ばされ、目の前に広がるのは夜明け前の風景と髪留めを失い、その金の髪を下ろしたセイバーの姿のみ。士郎の左手から失われる令呪。
「これで終わったのですね」
「ああ、これで終わりだ」
「あなたの剣となり敵を討ち、御身を護った。この約束を果たせて良かった」
「そうだな……良くやってくれた」
「最後に1つだけ伝えないと」
別れの時が近づいてくることを2人して感じながら紡がれる言葉。そして―――
「シロウ……
あなたを……
愛している」
夜明け。黄金のような朝焼けが輝いた瞬間、セイバーは元いる世界へと帰っていった。
それから......
戻ってきた日常。つい寝過ごし、桜に起こされ、朝食まで作ってもらってしまう日常。そこに藤ねぇと、そして新たに加わったイリヤ。朝から食卓に並んだ揚げ出し豆腐。それはかつてセイバーが「美味しい」と言った一品。
士郎が信号待ちをしている向かい側には、遠坂凛の姿。言峰教会・柳桐寺の復興も始まり、街は元の姿へと戻ろうとしていた。
「もっと落ち込んでるかと思った」
「なら、落ち込んでいたら慰めてくれるのか?」
「まさかッ! 蹴りいれて1日で立ち直らせてやったわよ」
「ハッ!」
「な、なによ?」
セイバーと言う最愛の少女を失ってなおいつもと変わらない士郎に対して意外そうな口ぶりの凛に、士郎は静かに、でも力強く応える。
「いや……未練なんて
きっとない」
その言葉が全てを物語っていた。
「いつか記憶が薄れて、あいつの声も、しぐさも忘れていくのかもしれない。それでもセイバーってやつが好きだったことはずっと覚えてる」
それだけ言うと、士郎は凛に「先に行っていてくれ」とだけ言い残して1人思い立ったように駆け出す。
過去、アーサー王の死の直前。やり直すことなく、『死』と言う責務をまっとうするために戻ったセイバーは、側近・ベディヴィエールに看取られていた。セイバーは、士郎たちとの戦いを「夢を見ていた」と言い表す。その姿に、ベディヴィエールは、その身を気遣うように言葉を残す。
「また目を瞑れば、きっと夢の続きが見られるはずです」
「夢の続き……同じ夢を見られるのか?」
「ッ!」その言葉に、言葉を詰まらせるベティヴィエール。アーサー王の死が近いことはもはや明白だった。それを自らも知っているセイバーは、エクスカリバーを湖に返すように最後の命を下す。
違う場所、違う時代、でも吹く同じ風。
「こんなに近くに感じるのに、手を伸ばしても掴めない。それでも、届かなくとも、胸に残るものはあるだろ? 同じ時間に居て、同じものを見上げた。それを覚えているのなら、遠く離れていても、共にあると信じられる。今は走り続ける。遠くを目指していれば、いつかは目指すものにも手が届くはずだから」
学校をサボり、新都とを繋ぐ橋の上。かつてセイバーと共に歩き、喧嘩もし、同じものを再び見つめ、走り続けることを誓う士郎。そしてセイバーもまた自らの最後の責務を果たし、そして告げる。
「ベディヴィエール。今度の眠りは少し……長く……」
「見ているのですか、アーサー王……夢の続きを」
最後に見せたセイバーの表情。それは王としてのものと言うよりも、全てを解き放たれた1人の少女の寝顔だった。
そして、衛宮邸の士郎の部屋には、セイバーに渡すことのできながったライオンのぬいぐるみが鎮座していた。
Fateもとうとう終わっちゃいましたね。最後は、特にアニメオリジナルな部分も見られない比較的オーソドックスなセイバールートのラスト……だったと思います。ちょっとだけ、色濃いアニメオリジナルも期待していたので、その部分で少し残念ではありますが、それでも演出・作画・声優陣・EDを含むBGMなどあらゆる部分が高クオリティで、本当に週1ペースで放映されているアニメとは思えない素晴らしい出来だったと思います。EDも、最後のセイバーの寝顔と上手くあっていて凄く印象的でしたね。
そして何と言ってもセイバーの「シロウ……あなたを、愛している」のあのセリフは良かったです。なんか背景の美しさとかも相まって、凄く良かったように感じました。
にしても、アーサー王の息子役に法子さん(桑島法子さん)、そしてベディヴィルール役に能登麻美子さんかぁ……なんか、ちょい役でこんな豪華な声優さん使うあたり、Fateの偉大さを感じる(ぇ
士郎がセイバーとの思い出を振り返るシーンやEDの最初の方でもセイバーの食事シーンが多々出て来て、最後まで「ハラペコキャラ」が何故か強調されているのは、スタッフの遊び心なんでしょうかね?
対照的に、士郎と会話するシーンの凛の作画クオリティがありえないくらい高かったように思えるのは私だけでしょうか( ̄∇ ̄;) う~ん、なんとなくセイバーに「スタッフの遊び心」を感じるのに対して、凛には「スタッフの愛」を感じるσ(^◇^;)
近々、Fateの総括もやりたいと思いますので、よろしければそちらもどうぞ。
TB先 参照リンク
・http://dogoes.blog22.fc2.com/blog-entry-362.html
・http://angelnotes.blog46.fc2.com/blog-entry-374.html
・http://blog.livedoor.jp/xenon44/archives/50485600.html
・http://blog.livedoor.jp/paprika200502/archives/50599659.html
・http://fatetbc.blog61.fc2.com/blog-entry-13.html
・http://maruton.blog55.fc2.com/blog-entry-297.html
・http://zdryeo.blog43.fc2.com/blog-entry-147.html
・http://blog.livedoor.jp/x2oa1/archives/50782855.html
それは自分もそう思いました。作画崩れも他キャラに比べて圧倒的に少なかったですし…
まあ、原作でも優遇されていたので当然と言えば当然なのかもしれませんがw